シンプルな画題ですが、水に映る月明りの表現が斬新で、刻々と移りゆく時の流れさえも感じさせます。
華やかに咲く梅の下で、食事にいそしむ二羽の雀。春の訪れを感じさせる一幅です。
餌を待つ二羽の小鳥。何気ない日常の一コマを描いたほのぼのとした作品です。粘り気があり、扱いが難しい漆を巧みに使いこなす技術は流石です。
さっとひと刷毛墨を引いただけで波を表現するのは並大抵の技術ではありません。月明りの下で飛び交う二羽の千鳥。静かな波の表現が、羽音まで聞こえてきそうな静寂を誘います。
ふくふくとした見た目が魅力的なウソ。まさに食事の為に木に留まった瞬間でしょうか。さらりと描かれた枝は「付け立て」という技法を使用して表現されています。
呉春の異母弟、松村景文の絵短冊。表装は京都の表具店、伏原春芳堂によるもの。
さらりと描いているようでいて、柳の蕾から鶯の様子まで、春先の気配を感じさせてくれる一幅です。
枝垂桜の下で餌を啄む二羽の鳩。春の暖かな陽光を感じさせる作品です。
仙台四大画家の一人に数えられる東東洋。素早く飛び交う燕の表現には、当時東洋とも交流があったとされる円山応挙の影響も伺えます。
東本願寺十八世、従如上人の花鳥画。職業画家顔負けの腕前です。
大正期の匂いを感じさせる作品です。
雪の中に佇んでいるのでしょうか。簡素で不思議な構図のため、一瞬、雀の霊が二羽こちらに笑いかけているのかと見紛ってしまいます。現実かどうかはさておき、いずれにせよ可愛らしい雀の姿に、つられて笑みがこぼれます。
今尾景年に学んだ桜谷は写生を基本とし、優れた動物画を数多く残しています。こちらの作品は、簡素でありながら早朝の澄んだ空気を感じさせる一幅です。
葉に積もった雪が落ちる音とチュンチュンと鳴く雀の声が聴こえてくるようです。
うららかな春の陽気のなか、鳥たちの囀りが聴こえてくるかの様な、春爛漫の一幅です。南画家の春木南溟は花鳥画を得意としました。
花鳥画をよく描いたと言われている月樵の作。平明でありながらも小鳥の愛らしさを感じます。
松の葉の部分に微かに青色が使われている他はモノクロームの世界が広がり、積雪で辺りがしんと静まり返るような、静けさに満ちた様子を感じさせます。
辺り一面凍てつくような寒さが、旭日を浴びて緩やかに解けていく様子を見事に表現しています。サラサラと柳から溶けて落ちる雪に陽の光が当たり、輝きながら風に乗って流れてゆく情景が目に浮かぶようです。
たわわに実る枇杷の木に集う鳥たちを、活き活きと描き出しています。孔雀画を得意とした秋暉だけに、やはり羽根の表現は精緻に富んでいます。
画面の隅々まで見どころに溢れた、生命の礼讃ともいうべき作品です。