いぬのかたち
2020年6月17日

応挙の絵画

円山派の開祖である円山応挙は、人物のみならず、動物や風景、はたまた幽霊など、あらゆるモチーフを縦横無尽に描き尽くした画家として広く知られています。その作風は実物を観察して生み出したリアルな表現そのもので、その後の絵師たちにも多大な影響を及ぼします。ここでは応挙の定番でもある可愛らしい動物画の数々をご紹介します。

D20-089_円山応挙_遊狗子図_04

円山応挙 【遊狗子図】

応挙の作品の中でも、最も人気のある狗子図。左右の狗のやわらかな毛書きと中央の背をむけた白狗の対比が、仔犬のかわいらしさを良く表しています。
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D20-035_円山応挙_巌上瀧飛小魚之図T

円山応挙 【巌上瀧飛小魚之図】

天明6年、応挙53歳の作。緻密に描かれているものの、なんともゆったりとした雰囲気の漂う作品。
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D20-093_円山応挙_寒月千鳥図

円山応挙 【寒月千鳥図】

厳寒の空に冴え冴えと浮かぶ半月と、俳句では冬の季語として親しまれる千鳥を水墨のみで表現した逸品です。江戸末期の森派の絵師・森一鳳の箱書有。江戸時代から続く江戸新川の下り酒問屋、説田家旧蔵品。
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D20-097_円山応挙_游亀図

円山応挙 【游亀図】

ゆったりと泳ぎ戯れる亀と、それを見守る親子らしき亀達の微笑ましい作品です。明治期の日本画家で川端玉章の息子、川端茂章による箱書有。
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D-1_円山応挙_柿に目白図+S

円山応挙 【柿に目白図】

目白が熟した柿を啄む愛らしい一幅です。柿の透明感あふれる表現がなんとも瑞々しく、ひときわ美味しそう。即興で描かれた勢いのある筆さばきに加え、構図の見事さには感嘆させられます。府中市美術館にて2023年に開催された『江戸絵画お絵描き教室』出陳作です。
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D-56_円山応挙_雨中柳鷺図+S

円山応挙 【雨中柳鷺図】

写生に重きを置いた応挙ですが、緻密な絹本作品とは異なり、こちらはイラストのような軽やかな筆致が特徴的な一幅です。薄墨で淡白に描き上げることにより、雨の日の湿気を帯びた空気感さえ感じさせます。神の使いとして縁起がよい生き物とされる白鷺が、まるで貴婦人のような気品を漂わせているところも魅力のひとつです。
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