各自が得意分野を描いたのかは不明ですが、それぞれの筆遣いに味わいがあり、見ていて楽しい干支図です。
凛々しく描かれた鶏の番と足元に群がる雛の愛らしさ。双方の対比が面白い一幅です。『香雲軒蔵品入札目録』(昭和12年)並『東海道島田町秋野家及某家所蔵品入札』並『古画総覧』所載有。
殻からとびだしたばかりの雛。初心の大切さを思い出させてくれる作品です。
江戸後期の国学者、石川依平と大久保一丘の弟子、町野笠澤の画賛。
餌を啄む二羽の夫婦鶏。墨の濃淡のみで表現された羽根が、どこかデザイン的でもあります。様々な動物画を手掛ける森徹山によるもの。