作家略歴
【本居宣長】
江戸後期の国学者、医師。伊勢松坂生。名は栄貞。号は芝蘭、瞬庵、春庵。初め堀景山に儒学を学び、荻生徂徠の学風や契沖の古典研究に啓発される。また医学を学んで郷里で開業するかたわら、賀茂真淵に入門して古語の実証的分析を行った。『古事記伝』44巻のほか『源氏物語玉の小櫛』、『玉勝間』の執筆など、国学におけるその功績は大きい。自宅の書斎「鈴屋」で講義を行い、多数の門人を輩出した。国学四大人の一人。享和元年(1801)歿、72歳。
【望月玉川】
江戸後期の画家。望月派3代目。京都生。名は重輝、字は子瑛、号は資清館。南画家望月玉仙の子。幼時に父を失い、はじめ村上東洲に、のち岸駒に師事。長崎に遊んだのち、江戸で谷文晁に教えを受けた。常に四条派の松村月渓の画風を慕い、山水花鳥を能くした。子の望月玉泉も四条派の日本画家として活躍した。嘉永5年(1852)歿、59歳。