各自が得意分野を描いたのかは不明ですが、それぞれの筆遣いに味わいがあり、見ていて楽しい干支図です。
牧童は禅画の「十牛図」に描かれ、また本作の牧童が空を指すさまは指月布袋を思い起こします。
西洋画の手法を取り入れた奥行きの表現から、まさに近代日本画という雰囲気が味わえます。
墨のみで描かれたシンプルな作品ながらも確かな画力を感じる作品です。
勢いよく駆け回り、互いの隙を伺っているような、臨場感溢れる作品です。江戸後期の長崎の画家、渡辺鶴洲の弟子である村田鶴皐の作。
まだ鍬の入っていない大地に対する、牛の力の漲りが伝わってくるようです。
日本画壇の三巨匠と呼ばれる玉堂の牧牛図です。無駄のない最小限の筆致が、逆に玉堂の画力の高さを存分に感じさせてくれます。
中国の説話である牽牛と織姫の伝説。微笑みをかわす二人が流麗な筆致で描かれています。