各自が得意分野を描いたのかは不明ですが、それぞれの筆遣いに味わいがあり、見ていて楽しい干支図です。
牧童は禅画の「十牛図」に描かれ、また本作の牧童が空を指すさまは指月布袋を思い起こします。
墨のみで描かれたシンプルな作品ながらも確かな画力を感じる作品です。
勢いよく駆け回り、互いの隙を伺っているような、臨場感溢れる作品です。江戸後期の長崎の画家、渡辺鶴洲の弟子である村田鶴皐の作。
まだ鍬の入っていない大地に対する、牛の力の漲りが伝わってくるようです。