亀 に関する作品は、12品あります。
ページ 1 中 1芦雪作品には時折絶妙な構図の作品が登場します。こちらは手前の余白部分に亀がきゅっと収まっており、少し不思議な構図を作り出しています。描こうとするものがはみ出そうになれば、そのまま気にせず画面に押し込んで描き切ってしまう。そうした所に芦雪の既成概念に囚われない自由さと、伸び伸びと描くことを楽しんでいる様が映し出されているかのようです。
小田海僊に文人画を学んだ礀西涯は江戸後期から明治にかけて活躍し、松下村塾出身の長州藩志士・松浦松洞の師としても知られています。こちらは夥しい数の鶴と亀が描かれた鶴亀図。目を凝らすと、細かな動きまで実によく観察されていることが分かります。
十長生とは日・水・松・鶴・亀・鹿・不老草に、山・雲・月・石・竹のうちいずれか三つを加えた10個の不老長生の象徴物のこと。こちらの図には亀が居ないかと思いきや、手前右下の水面からひょっこりと顔を出しています。
応門十哲の一人、吉村考敬は応挙晩年の門人とされ、応挙の写実をさらに推し進めた画風として知られています。穏やかな表情で亀を眺める寿老を挟み、左右には自然体で寛ぐ鶴が配された縁起物の三幅対です。
水の畔でゆったりとたゆたう亀を見ていると心が安らいでくるように思うのは、今も昔も変わらないようです。長い冬眠から醒めて、心地よさを存分に味わっているだろう亀たちの様子に、思わず顔がほころびます。
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