作家略歴
【森狙仙】
江戸後期の絵師。出生地は不詳ながらも、大坂で活躍した。名は守象、字は叔牙、初号は祖仙、のち文化4年狙仙と改める。大坂で狩野派の山本如春斎に学び、如春斎の死後は円山応挙に影響を受けて写実性を重視するようになり、猿を描かせては並ぶものなしと賞されるまでに至った。実兄森周峰を始めとする森派の祖。周峰の子であり円山応挙の高弟でもあった森徹山を養子に迎えた。文政4年(1821)歿、74歳。
【黄檗華頂】
江戸後期の黄檗宗の僧。宇治万福寺二十五世。近江生。俗姓は藤谷、諱文秀、字華頂、別号に直鈎。15歳で比叡山に入り、方玉律師のもと出家、経・律を修めた。禅に転じ、近江正明寺の中岳律師に師事。伊予の湛堂・駿河の白隠慧鶴らに参禅。白隠没後は正明寺に住持し、民衆の教化につとめた。文政10年(1827)寂、88歳。