作家略歴
【中村芳中】
江戸後期の画家。京都生。名は徳哉、別号に達々・方中・鳳中等。芳中は字とされる。生年は不明だが、江戸琳派の祖・酒井抱一とほぼ同時代人だと考えられる。はじめ文人画風の山水や指頭画を描いたがしだいに琳派へ転じ、たらし込みを駆使した作品を描くようになった。木村兼葭堂の『兼葭堂日記』にその名が登場し、その交遊関係が知られる。大阪に住した。文政2年(1819)歿、享年未詳。
【大田蜀山人】
江戸後期の文人、狂歌師、御家人。江戸生。本名は覃 (ふかし) 。字は子耕。通称直次郎。別号南畝。狂歌名に四方赤良 。狂詩には寝惚先生とも称した。勘定所勤務として幕府官僚であった一方、狂歌、洒落本、漢詩文、狂詩文など多方面に才を発揮。まだ江戸の歴史や文化について深い造詣を示し、それを考察した随筆を数多く記した学者でもあった。谷文晁や酒井抱一、亀田鵬斎らとも交遊をもった。文政6年(1823)歿、75歳。