神道に於いて神の使いとされる鹿と、木に吊るされた神鏡を描いた山水図は、そこが聖域であり、神聖で澄んだ空気を纏っていることを窺わせます。
動物画を好んで描いた長沢芦雪の雀図。あたたかな眼差しが感じられます。
羽ばたくもの、後ろを向くもの、ゆったりと寛ぐもの…様々な振る舞いの雀たちを素朴に描いた作品です。昇る朝日を前に、賑やかな雀の鳴き声が聞こえてくるかのようです。
流れる様な筆致で描かれた藤の花。下には二羽の雀が佇んでいます。『故由比濱松濤氏所蔵品入札目録』(大正十三年三月)所載。
楽しげに戯れる雀たちの、賑やかなさえずりが聞こえてくるような楽しい作品です。釧雲泉の門下、金子雪操の36歳時の作。
月明りに照らされる梧桐と紫薇(サルスベリ)。よく見るとその枝で羽根を休める二羽の鳥がいます。夏の夜の湿度まで感じさせる作品です。明治28年幽谷70歳の作。
江戸琳派の酒井抱一の養子である酒井鶯蒲の作品。
本如上人は本願寺の歴代門主の中でも特に画技に優れ、多くの作品を残しています。本作には門主の作品らしい、極上の時代表装がなされています。
赤い舌を見せながら声高に鳴く雀と、静かに綻ぶ梅の花。円山四条派の影響が窺える花鳥画です。
無線描法による伸びやかで柔らかな表現が、目白の睦まじい様子と共に、作品に心地の良い温かみを添えています。
激しく降る夕立の中、小鳥が雨宿りの場所を探しているのでしょうか。吹きすさぶ雨音さえ聴こえてくるような、臨場感あふれる一幅です。
潔く水墨で描かれた梅の枝に、可愛らしく佇む一羽の雀。モチーフの対比が絶妙です。歴史画を得意とした容斎の花鳥画です。
収穫後の稲の上で米粒を求めて戯れる雀たち。のどかな秋の光景を感じさせる作品です。共箱入り。
萩垣にちょこんととまる一匹の青い鳥。軽妙な筆致と温雅な色彩が美しい作品です。
真っすぐ伸びた竹のそばで戯れる三匹の雀の姿が描かれた作品。
牧童は禅画の「十牛図」に描かれ、また本作の牧童が空を指すさまは指月布袋を思い起こします。
老松の根元に佇む一羽の鶺鴒。二十四節気の「白露」の頃に鶺鴒が鳴き、秋の訪れを告げると言われています。静けさの中、鶺鴒の鳴き声が聴こえてくるかのような作品です。
紀州徳川家初代藩主、徳川頼宜公の梅に鶯図。
大きくとられた余白に的確な筆致が引き立つ竹内栖鳳の作品。東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定証有。
栖鳳の画力が存分に発揮された見事な花鳥図です。東美鑑定評価機構鑑定委員会鑑定証有り。