作家略歴
【英一蝶】
江戸中期の絵師。京都生。名は信香。剃髪後に多賀朝湖と名乗る。字は駿、通称を助之進、号に朝湖・牛麿・翠蓑翁等。名を英一蝶、画号を北窓翁に改めたのは晩年、流罪を赦されて江戸に帰ってから。寛文6年頃に一家で江戸へ移り、周囲に絵描きとしての才能を認められて狩野安信に学ぶがのち破門。その一方、暁雲の号で俳諧師としても名高く、宝井其角、松尾芭蕉らと交友を持った。その後は入牢、三宅島配流と二度の憂き目に遭いながらも江戸に帰還。人気絵師として数々の大作を手がけた。享保9年(1724)歿、71歳。
【高嵩谷】
江戸後期の町絵師。江戸生。姓は高久、名は一雄、字は子盈。別号に屠竜翁、楽只斎、翠雲堂など。両国薬研堀に住した。英一蝶門下の佐脇嵩之に学んで一蝶風の風俗画を得意とし、また武者絵も能くした。江戸浅草寺観音堂の「源三位頼政鵺退治図」により一躍その名を知られるようになった。文化元年(1804)歿、75歳。