画面から溢れんばかりの荒々しい水面を描いた怒涛図です。眺めていると、荒々しい画面とは裏腹に、心に静けさが訪れてくるようです。

雀も虎も同じ竹を宿として寛いでいる様子が描かれた、漫画家ならではの風刺的な目線が楽しい作品です。虎の表情が何とも言えずいい味を出しています。

岩陰からのそりと現れた瞬間の迫力をそのままに表したかのような、緊張感のある虎図です。眼球に使用されている萌黄色が全体の色調を引き締めています。

花鳥動物を得意とした英舟。その筆遣いは柔らかで、生き物への繊細な眼差しと温かみを感じさせます。この虎も同様で、猛々しさよりもむしろのんびりと欠伸をしているような、寛いだ様子がうかがえます。

大胆な構図、簡素な筆致が見事な、前田青邨の生き物への眼差しを感じる作品です。

二羽の雀が愛らしく、柔和な趣きに包まれています。東京美術倶楽部鑑定証有。

紅白梅と南天の上にうっすらと積もる雪。まだ寒さが残る中にも、梅の花が春の訪れを感じさせています。鳥のとぼけた表情が、「まだ春じゃなかったのかしら」と考えているようにも見え、微笑ましささえ感じます。

色が生き生きと引き立つ渓仙の独特の画風が、春の華やかさも感じさせる作品です。

仙厓のような伸びやかな線で、なんとも楽しげな虎の図です。

写生に重きを置いた応挙ですが、こちらはイラストのような軽やかな筆致が特徴的な一幅です。神の使いとして縁起がよい生き物とされる白鷺が、まるで貴婦人のような気品を漂わせているところも魅力のひとつです。