芦に止まる螢を描いた、夏の夜の風情を感じさせる作品です。淡白に描かれた水面も涼しげです。

岸派の4代目、岸竹堂の作品。昇り始めた月の下、猫が静かに蟷螂に近付いています。

岸竹堂は西洋画の陰影法や遠近法も取り入れていました。幽玄な余韻に引きこまれる一作です。

たわわに実る枇杷の木に集う鳥たちを、活き活きと描き出しています。孔雀画を得意とした秋暉だけに、やはり羽根の表現は精緻に富んでいます。

さらりとした筆致ながらも、鵜飼の情景を活き活きと見事に表しています。応門十哲の一人、山口素絢による一幅です。

応門十哲の一人、山口素絢による作品です。美人画を得意とした素絢ですが、動物や虫、鬼なども多く描いています。

飛沫の上がる中、岩石の上で鵜が翼を広げています。

蟷蜋が蝉を襲う瞬間を目撃したのでしょうか。迫力ある光景に目を奪われます。中国には「螳螂、蝉を窺い、黄雀、後に在り」という故事があり、目先の利益にばかり気をとられ、後ろから迫っている危険に気がつかないことを言うのだそうです。

四条派の開祖・呉春と江戸後期の歌人・伴蒿蹊による作品。

中国の説話である牽牛と織姫の伝説。微笑みをかわす二人が流麗な筆致で描かれています。

瑞々しく茂る色とりどりの植物の中に、沢山の小さな虫たちが生き生きと描かれています。古澤雪田は瀧和亭門下で師と同じく花鳥画をよくしています。

ゆったりと泳ぎ戯れる亀と、それを見守る親子らしき亀達の微笑ましい作品です。明治期の日本画家で川端玉章の息子、川端茂章による箱書有。

泳ぎ回る鯉たちを瑞々しく表現した作品です。鯉の描き込みに対し、画面上部の滝を最少限の筆致で表現することにより、空間と奥行、そしてイメージを膨らませる軽やかさが加わっています。

秋になって鳴く蝉の聲は、季節の移り変わりを感じさせます。

シンプルですが品の良さを感じる作品です。

鯉は中島来章が得意とした画題のひとつ。鯉の勢い盛んな様は立身出世の象徴とされています。